OKUCHANからのご挨拶
この度、私が古稀になったこと、音楽活動開始から15年たったことを記念して「懐かしい風景 懐かしい未来」とタイトルでCDを出すことになりました。
このCDは、私のオリジナル曲8曲、私のギター伴奏つき朗読3篇と私の心に残る山の歌が1曲という構成になっています。
しかし、これを作る前は、しょせん素人が自分の思いだけで作るもので、お金を払ってもらえるだけの価値があるものになるのだろうかという不安がありました。
それでも、いざ始めてみるとCDの録音に、ゲストボーカルの緋名さんをはじめ、緑風堂やSPSのバンド仲間、ライブバー別館神戸少年マスターや俳優の森優子さんという個性豊かで優秀なメンバーが集まってくれて、その貴重な時間を割いてくれて、楽しく録音に参加してくれました。
今、完成したCDを聴きなおすと、その時の楽しい雰囲気を伝えることができるほど、クオリティーの高いパフォーマンスを聴くことができます。
そして、ジャケットのイラストを描いていただいたRitaさん、RecordingをしてくれたRockClubのKatagiriさん、MasterringとジャケットデザインをしてくれたCGE.Inc.のMasebaさんのおかげで、想像以上に美しい、アート作品とも言えるCDができあがりました。
ですから、今はすべての不安は消えて、多くの方に見て、聴いていただきたい、見ていただきたいと胸を張って言えます。
ぜひ、お買い求めいただいて、CDを楽しんでみてください。
2024年10月10日 神戸の自宅にて
タイトル「懐かしい風景 懐かしい未来」について
CDのタイトルを「懐かしい風景 懐かしい未来」としました。
それで、「このタイトルはどんな意味?懐かしい風景というのは分かるけど、懐かしい未来ってどういうこと?」とみんなから言われます。
それに答える前にみなさんに聞きたいと思います。
みなさんは、未来にどういうイメージを持っていますか?
今の現在の状況がずっと続いていき、拡大進行していくようなイメージでしょうか?
それならば、気候変動による暑い夏や異常気象、ITによる管理社会の横暴など、現在の世界にすでにある影の部分までも含めて、現在の延長線上の未来を、受け入れることができますか?
私は、ちょっと受け入れ難いなと考えていて、未来は現在の延長でない方が良いと考えています。
私は、未来の世界でも、「トッピンパラリの夏」で歌ったように縁側越しにトンボが飛んで、太鼓の音に心弾む夏祭りがある世界で有ってほしいし、「お鍋が煮えてる」で歌ったように、家族がお鍋を囲みながら近所の様子をおしゃべりしたり、土間から虫の声が聞こえて来て、外に出れば満天の星が輝いている夜空が残っている世界であって欲しいと願ってます。
しかし、私が望んでいる未来は、現在の延長線には存在しないことは確かです。
未来を変えることは、現在生きている人が変える努力をしなければ実現しません。そして、どんな未来を目指すのか、そのイメージが示されなければ、人はその未来を目指せないでしょう。
作った時は意識していたわけではないのですが、私はこうあって欲しい未来のイメージを、作った歌の中に盛り込んでいたようです。
これらの曲には、自分の記憶に残る懐かしい日常の風景と親しんできた日常の文化が反映されています。それにより、私と同世代や上の世代には懐かしく感じ、若い世代には新鮮に感じてもらえるのではないかと思っていました。
しかし、今はこれらの歌を単なる懐かしい、新鮮だと感じてもらうのとは違う意味もあるのかなと思っています。
つまり、懐かしい風景を懐かしいととらえるだけでなく、現在の延長にある未来とは違う未来の風景のイメージとして、聴いてもらう皆様に示すことができると思っているのです。
それで、タイトルを「懐かしい風景 懐かしい未来」としたのです。
とは言っても、このことは、CDのタイトルを決めるときに思っただけで、もともとは、私の歌を聴いていただいた方に、とにかく楽しくほっとした気分になってもらいたいと思って作りました。
ですから、あまり構えないで気軽に聴いていただいて、時に口ずさんでもらえばそれだけで幸せです。